2018
02.21

大型減税は株主還元にどのようにつながっていくのか?

Category: 配当
ゆきだるまです。

米国では本年から大型減税がはじまりました。
 ①国内法人税率低減(35%→21%)
 ②海外留保資金の本国還流(レパトリ)には軽減税率適用(15.5%、1回限り)
が大きな骨格となっています。

政府の狙いは減税による企業収益を賃上げ、設備投資など国内経済活性化への投資に振り向けることであり、株主としては特別配当や自社株買いなど収益還元を求めたいところ、両者の思惑が交錯する中で企業の対応はどうなっているのでしょうか?

政府財源の仕組みとしても、①国内税収が減る分を、②米国にとって死蔵状態だった海外留保金還流の課税分で賄うという絶妙なもので、トランプ氏が掲げた公約実現の中では最高の政策成果だと思います。



即効性の高い巨額の本国還流(レパトリ)資金の使途?


今回の第4四半期決算でもジョンソン&ジョンソンやコカ・コーラなど多国籍企業が軒並み赤字決算を打ってきたのは②レパトリのための税金支払分の引当金を積んだためでした。これにより米国外にある総額1兆4千億ドル(ムーディーズ推計)もの留保金が大手を振って米国に還流されることになります。

主要IT企業9社の海外留保金6320億ドル(時価総額の15%)にも上ります。

【主要IT企業の海外留保金】(単位:10億ドル)
主要IT企業の海外留保金(単位:10億ドル)

中でもアップルの海外留保金の額が2523億ドルと抜きんでており、うち税率限度の15%に相当する380億ドルを納税すると発表しました。差引で2152億ドルがフリーキャッシュとなりその活用方法が注目されています。

2月13日のアップル社株主総会でティム・クックCEOは還流資金の使途について「特別配当はあまり好きでない」と応え、向こう3年間で2万人の新規雇用を行なうことを強調しました。また通常配当の増額には熱心に取り組んでいきたいと語っています。それでも残る資金の使途は明確になっておらず、1160億ドルに上る有利子負債の償還、ネットフリックス社(時価総額950億ドル)買収等の大型M&A、設備投資、自社株買いなどが噂レベルで上がっています。

マイクロソフトは先の決算では明らかにされていませんが、レパトリされる1120億ドルの一部を活用して1株当り14ドルの1回限りの特別配当を実施するという噂もあります。仮に実現したとすれば現在の株価が93ドルなので、配当率16%の大型配当(通常1.8%)となる見通しです。

減税利益の使途について、多くのハイテク企業はM&A資金の原資にするか、ケーブルテレビ大手のコムキャストが自社株買い以外に選択肢がないと語るなど、レパトリで生み出される多量のキャッシュを企業がもてあましている実態も多く語られています。

減税の先にあるもの

レパトリ以外にも国内法人税の減税効果も期待されており、2018年の企業収益は5%程度向上するとみられています。

通信大手のAT&Tと銀行大手のウエルズ・ファーゴは、従業員の特別ボーナスを支給すると発表し、ウオルマートは人材研修に力をいれるなど人づくりに活用する意向が示されています。

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株主の視点
からみると減税の使途は次の様に分類できます。

1 直接的な株主還元効果が高いもの
  特別配当、自社株買い、M&A

2 間接的に株主還元につながるもの
  事業投資、借入金返済、人材育成

3 株主還元効果が不明なもの
  役員・従業員の特別報酬、内部留保

我々が最も期待する株主還元は減税の本来目的である社会還元とは相いれない部分も多くあるとは思いますが、各企業におかれましては、上手くバランスをとって両者を成立させていただき、今回の減税が米国経済の更なる発展につながることを期待しています。

それでは
 
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2018
02.01

1月と2月は配当が少なくて残念!毎月配当を得る銘柄選び

Category: 配当
ゆきだるまです。

米国株投資の大きな魅力の一つに配当があります。

米国企業は毎年増配当を行うことが常識化しています。中でも連続増配当歴25年以上の企業が100社以上もあり、10年も持っていれば配当額が2倍になることも珍しくありません。配当金で再投資をすれば複利の力で大きなリターンが得られる可能性も非常に高いです。
配当再投資イメージ 
また配当金は四半期(3ヶ月)毎に出るのが一般的であり、権利確定したら翌月には振り込まれているところも凄く良いです。そのため、米国企業に投資すると配当金を当てにした生活設計が立てやすいということが言えます。

さらに欲をいえば、配当金の再投資やリタイア後の生活資金として、
配当金を毎月均等に貰えるとさらに良かったりしませんか?

実は配当金も四半期に一度の支出なのですが、企業によってバラツキがあり、特定月に配当が偏ってしまうことが良くあります。

ゆきだるまも12月は配当がドカっと出て嬉しかったのですが、1月は手切れをしたGE(ゼネラル・エレクトリック)1社からのみという寂しい状況でした。今月2月も通信大手のAT&T1社のみとなります。

この周期を上手く調整した銘柄選びをしたいというのが今日の趣旨で、2018年版の配当カレンダーを作成してみました。
同じような記事は何回か書いていますが、折々のデータ更新としてご参考にしてください。

2018年配当カレンダー(1月末時点版)

選定基準
S&P500の構成銘柄のうち時価総額が上位100社の企業を抽出
・そのうち配当率が3%以上の銘柄を選定(16社)
・太字は配当貴族銘柄(増配当歴25年以上)
・☆印はダウ30銘柄
〇印が配当月(権利確定月は前月、昨年実績から設定)

配当カレンダー2018年3%以上 

表をみるとやはり1月2月とその3倍月は少ないですね。3、6、9、12月が多いのが分かります。コカ・コーラとゼネラル・エレクトリックは周期が不規則です。

選定の考え方として、業績が低下して株価も低迷したことで裏返しの配当率が高くなることが良くありますが、こうした株を掴むのは危険なのでS&P500の時価総額上位100社という絞り込みを掛けました。また配当貴族(太字)としての増配当実績ダウ30銘柄(☆印)という人気度も指標に加えました。

こうしてみると、先日手切れをしたGE(ゼネラル・エレクトリック)は選定に引っ掛かってくるんですね。配当金を半減させ、株価も約半分まで下落しましたが、それでも時価総額は依然として高いし、配当率も3%水準を超えています。株価下落前からホールドされている方は涙目ですが、これから新規で取得される方には魅力的かもしれません。

ゆきだるまもGEを切ってしまったので、1月配当分がゼロになってしまいました。この表から選ぶとしたらフィリップ・モリスかななどと思っている次第です。

他にも隠れた名品があると思いますが、本カレンダーが皆さまの銘柄選びのご参考になれば幸いです。
 
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2018
01.09

S&P500やVTIの全米平均モノで高配当ライフを満喫しよう!

Category: 配当
配当好きのゆきだるまです。

S&P500やVTIは全米平均として確かなリターンが得られるため大変人気が高い一方で、泣き所は分配金の低さではないでしょうか。

全米平均型ETFの分配金は共通して年利回りで2%前後です。普通、年利3%以上を高配当と呼んだりするので、2%では物足りない感じですね。米国株投資を行う際に、高配当かS&P500かで悩まれた方も多いはず。配当再投資に魅力を感じた方は、S&P500の選択に躊躇されたかもしれません。

でも、ご安心ください。S&P500も長く持っていれば、高配当銘柄に化けるんです。

まずは分配金の状況をご覧ください。SPY株価・分配金推移~2017
データはS&P500ETF元祖であるステート・ストリート社のSPYを採用しています。平均価額は各日終値の平均値です。2017年分配金は推定値です。

どうでしょうか? 分配金は経年的に増加しています。10年持っていれば1.8倍20年持っていれば3.4倍です。

今の利回りが1.8%なので、10年で利回り3.2%20年で利回り6.1%になる計算です。

持てば持つほど旨味が出てきますね。

S&P500の分配金は構成企業による配当金の集合体であるため、個別株のような議論はできませんが、それでも増配当を行うことが米国企業の慣習であれば、その集合体の分配金も増えることは自明です。

S&P500はアマゾンやアルファベットなどの無配当のグロース株を多く取り込んでいるので、その分は分配金に反映されません。これらグロース企業が頑張ってETF本体の価額が上がると、相対的に分配金の利回りも下がっていく形です。

リーマンショックの時のように各企業が暴落・減配した時は分配金も下がりますので、良くも悪くも全米の平均点です。

これで無配のグロース企業を除いたりするとVYMの様な高配当ETFが出来上がる訳ですが、その分本体価額のリターンは下がりますので、S&P500は究極のバランスファンドと云えるかもしれません。

なお、全米市場平均と云えば、VTIという存在もあります。大型株のみのS&P500に中小株も加わって全3600社、より広範なインデックスになります。こちらの方が大型グロース株の影響が薄まるので分配金のリターンはより高まる感じです。個人的にはS&P500よりもVTIの方に魅力を感じています。

【2001年を基準にしたSPYとVTIの分配金推移】
SPYとVTIの分配金推移

まとめ

S&P500やVTIの全米市場平均モノは、現時点での分配金利回りは少ない感じがしますが、市場の成長とともに分配金は増えるので長期で持つほど利回りは充実してきます。10年を超えると利回りが3%を超える見込みです。

全米市場は日々成長しているので、投資が遅れれば分配金も本体価額もリターンを逃してしまうので、早くから機械的に購入しておくことが望まれます。

その点では、i-freeのS&P500や楽天VTIなど投資信託(定額積立・分配金再投資コース)の活用が、経費率も比較的安く、積立額も自由に設定できるので、お手軽なアプローチになると思います。

それでは
 
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2018
01.08

配当貴族であっても業績は絶えずチェックすべき

Category: 配当
ゆきだるまです。

”配当貴族”

 配当貴族イメージ 

それは連続増配当を25年以上行ってきた企業に与えられる称号であり、優れた経営が行われてきた企業の証でもあります。長期投資を行なう場合、基本は買い持ちになるので、銘柄選定の際の大きな手掛かりとなります。

米国には配当貴族に当たる企業が100社以上も存在し、株主の期待に応えるべく日々の活動が行われており大変頼もしい存在です。日本では連続増配当25年以上の企業は”花王”1社だけであり、配当金に対する日米の考え方の違いが表れています。

米国企業の配当に関するデータは次のHPに詳細なものが掲載されているので非常に参考になります。

(参考)The DRiP Investing Resource Center

さて、今日は上記HPのデータを引用させていただき、配当貴族銘柄の実態をみてみようと思います。

まず基本データ(昨年末12月29日時点)として、

 配当貴族の数:115社(うち50年以上26社)
 平均増配年数:40.9年
 配当率の平均:2.29%(配当率3%以上24社)
 直近の増配率:5.59%(四半期の短期配当ベース)

ここで配当貴族のうち配当率3%以上の企業の顔触れを見てみます。

【配当貴族・配当率3%以上】
配当貴族・配当率3以上 一覧
*2017年12月29日時点、増配率は直近の短期配当ベースでの値、EPSは直近年単位

トップはAT&Tで、アルトリア、エクソンモービル、シェブロン、コカコーラ、P&Gとお馴染みの顔触れが並びます。

さて、これら銘柄を今取得すれば配当率3%から出発するとして、
これから何十年も増配当を期待してしまって良いでしょうか。

確かに、過去数十年にわたって株主の期待に応えて、増配当の歴史と実績を積み上げてきた企業たちです。これからも企業のプライドにかけて増配当すべく経営努力を重ねていく信頼感も強く感じるところです。

しかし、無い袖は振れない・・・キャッシュが枯渇したら配当金は出ません。

25年、50年の実績は過去のもので、今後の25年、50年は未来を見通せる水晶玉でもない限り、誰も保証はできないのです。

上記表をご覧いただくと、配当性向が100%を超えてしまっている企業も散見されます。これらは利益以上に配当を支払っている配当赤字状態にあり、今後の収支が改善しない限り、増配停止又は減配は免れません。

また、増配率が平均5.59%を著しく下回っている企業もあり、増配に青息吐息な感じも伝わってきます。米国通貨の最小はセント単位なので、AT&Tの様に年1回1セントずつの増配当になってしまうとゴールの近さを感じざるを得ません。

また、もう一つの配当貴族の重たい現実を見ておく必要があります。

今115社が配当貴族の称号を得ていますが、実は、その陰に53社の増配停止に至った企業があります。つまりは、いったんは配当貴族の称号を得ても3社に1社は、その後没落しているのです。

(参考)配当王・配当貴族といえども3社のうち1社は没落している事実

没落貴族たちは、大体がリーマンショックを乗り越えられなかった社が多く、ダウ30銘柄でもゼネラル・エレクトリック(増配歴32年)やファイザー(増配歴41年)などが減配に踏み切っています。

逆に云えば、今の配当貴族は10年前のリーマンショックを乗り越えてきた猛者ぞろいということです。負け癖のついたゼネラル・エレクトリックは、またまた減配に踏み切ってしまいましたが、持ち株なだけに頑張って欲しい!!


まとめ


長期投資を行う際に、過去の確かな実績から配当貴族は銘柄選定の有力な手掛かりになります。ただし、将来も増配当が続くかどうかは誰にも保証できないので、当たり前の話ですが、常に業績確認は必要です。

それでも一企業人としては、配当貴族のような歴史と実績を持った老舗企業に対する信頼感は絶大なものがありますので、いつの時代でも有力な選定候補になり得ると思っています。

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2018
01.07

配当金を再投資すべし、投資会社「自分」を設立しよう!

Category: 配当
ゆきだるまです。

新春早々、米国優先株式ETF(PFF)からお年玉(分配金)をいただきました。有り難うございます。

ゆきだるまは、AT&T、ロイヤル・ダッチ・シェル、米国優先株式ETF(PFF)といった高配当銘柄に投資しています。その理由は配当金を再投資すると複利の力が働いて、加速度的なリターンが得られることが分かっているからです。

下の図は配当率が5%を超えるAT&Tで配当金を再投資した場合のシュミレーションです。企業利益や配当金の伸びは緩やかでも、株主が配当金で株の買い増しを行うと、5%の利回りだった元金が、20年後には税金を差し引いても利回りが16%になる計算です。

【AT&T:配当実績(過去10年)と配当推計(将来20年)】
T配当予測~2037 
(参考)AT&T 高配当株の素晴らしさを再認識してみませんか?

米国の株主は配当金を重視しています。その理由は配当金が現物であり、事業が上手く回っている証拠だからです。アメリカの様な多民族国家は、共通の価値観が形成し難く、現物たる配当金が企業の信用を証明するエビデンスになっているわけです。ここが日本の企業文化と決定的に違うところでしょう。

なので、昨年11月に配当金を減額すると発表したゼネラル・エレクトリック(GE)の株は徹底的に売られました。

【GE株価推移】
GE株価20180102 

経営者と株主は常に「配当金」を介して緊張状態を保っており、企業はおいそれと配当金を減額をしたりできないわけです。連続増配当を長年続けてきた企業が「配当貴族」と称されるのは、こうした米国企業文化の現われだとも云えます。

税金や経営効率の面で配当金支出を疑問視する意見もありますが、配当金が出るのが米国株投資の常道なので、これは有難く享受した方が良いと思っています。税金を3割差し引いても、まだ十分な額が残りますから。

さて、話を配当金の再投資に戻します。

配当金を出す企業は、株主たる我々に経営者になれるチャンスを与えてくれています。

先ほどのAT&T社の例でいくと、投資会社「自分」が配当金を元手に株の買い増しという投資をすることで、何もしなければ20年で7%の利益のところを16%の利益がでる事業に成長させることができます。もちろん配当金の投資先は自分の裁量で自由に決めることもできます。

配当再投資を面白く感じるのは、一サラリーマンが投資会社「自分」のCEO(最高経営責任者)になれることで、こうした醍醐味が米国株式投資にはあり、継続する力になっています。

それでは
 
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