2018
03.31

つみたてNISAは誰に向けてデザインされているのか?

Category: 雑感
シニア予備軍のゆきだるまです。

2018年からつみたてNISAが始まりました。結論から先に申し上げると、この制度を活用して最大メリットが出せるのは20代から30代前半の人です。

その理由をみてみましょう。

つみたてNISAは大雑把にいうと年間40万円までの枠で金融庁の指定する株式のインデックスファンドに投資すると最大20年間は投資利益が非課税になる制度です。

20年という期間設定は、古今東西の事例から株式を20年以上保有すれば、元本割れのリスクが回避できて、全ての金融資産の中でも最大リターンが出せることからきています。裏を返せば20年以上の期間をかけられなければ長期投資にはならないということです。

【各金融資産による長期リターンの比較】
total return notitle
米国の過去200年の事例です。資産価値を蝕むものにインフレ(物価上昇)があり、200年前の現金1ドルは現在では13分の1に価値が低下しています。債権は長期ではインフレに勝てないといった実態があり、株式のみがコンスタントに価値を上げていける唯一の金融資産ともなっています。

【投資期間によるリターンの違い】
長期投資のメリット 
株式は短期ではボラティリティ(値動き)が激しく元本割れのリスクがありますが、20年以上の長期になると平均値に収束する傾向がありプラスのリターンをコンスタントに出せるようになります。

つみたてNISAは投資期間20年✕非課税期間20年のロングラン制度

つみたてNISAは年間40万円(月額平均3.3万円)2018年から2037年の20か年にわたって適用が可能です。
つみたてNISAの非課税イメージ図

ここまでが制度の概要です。ここから先は自論を展開していきます。

冒頭に20代から30代前半に最適化されているとお話ししたのは、仮に今年27歳の方が始めたとすると、最終投資年齢が46歳の時の投資額が60歳の定年時に非課税適用期間が満了となるからです。定年を65歳とするならば5年を加えてください。

この制度を国が出してきた理由は二点あって、一つ目は休眠預金の市場流出、二つ目は年金対策です。金融庁と厚生労働省が手を取り合って、つみたてNISAとイデコの二本立てで制度を完成させた感じがあります。

世間の長期投資戦略では、まずイデコで所得税控除を狙いながら、余力があればつみたてNISAで補完するのが、税控除メリットを最大限生かした投資法とも云われています。これも国の制度設計の巧みなところだと思います。

イデコの最低掛け金が月額1.2万円つみたてNISAが月平均3.3万円とすると合算して月の支出額は4.5万円本多静六先生の「4分の1天引き貯金」的な発想を持てば、手取り18万円でその4分の1をイデコとつみたてNISAに全額投入できる計算です。20代でもギリギリ投資可能なラインではないでしょうか。

裏を返せば、年金制度が将来破綻した時に「国はイデコ+つみたてNISAで国民を支援してきました」という話にもなるので、更に逆に返せば、国営投資戦略のメリットを最大限活用しない手もないと思います。

繰返しになりますが、20代~30代前半の人は、苦しいながらも枠内でフル投資を行っていけば税制メリットを最大限受けながら、リタイア時に億越えの資産を形成することも夢ではないと思います。

年齢が増すほどにメリットは落ちていくのは仕方のないところ。それでも投資した年から20年間もの長期投資を非課税にできるメリットは大きいと思います。ただ50代になったゆきだるまくらいの年齢までくるとつみたてNISAを使うかどうかは微妙ですね。そもそも長期投資を開始する限界的な年齢でもありますから。シニア世代には非課税期間よりも限度額が大きく対象商品が豊富な一般型NISAの方が使いやすいと考える次第です。

週明けからは新年度、新入社員の登場です。自分が社会人スタートの時に、これらの制度があって、強力に勧めてくれる先輩がいたら、今頃きっとその人に足を向けて寝られなかったでしょうね。

それでは☆彡
 
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2018
03.30

ロイヤル・ダッチ・シェルから配当~これからの見通し

ゆきだるまです。

高配当で人気のロイヤル・ダッチ・シェルから配当が出ました。

1株配当:0.94ドル(税金込)
年利回り:6.64% (取得株価56.55ドル)

これで16期連続で配当額は据え置きです。

シェルは頑張って業績を回復をしていますが先の決算も期待値には届いていません。2017年の決算値もまとまったので推移をみてみましょう。

【売上高】
RDSB売上高推移 
ロイヤル・ダッチ・シェルは大規模なリストラを断行中であり、2016年を底に昨年2017年は上流部門の採算の改善と原油相場の上昇により売上高が復調しています。

【EPSとDPS】
RDSB EPS DPS  
2015年からEPS(1株利益)がDPS(1株配当)を下回るタコ配状態に陥っており増配当も停止しています。2015年から配当は現金のほか株式での支払いを行ってきましたが今回から株式の払い出しを止めて現金配当に戻し、2020年までに250億ドル分の株式の買い戻しを進めています。

2020年を目標とした総計300億ドルに上る資産処分は予定より早いペースで進行中、有利子負債額も減らしてきており収益も大幅に改善してきています。タコ配状態脱出まであと少し、ガンバレ!

続いて原油相場と株価の状況です。

【北海ブレント原油相場】
北海ブレント20180329 

原油相場も2月までは上昇基調にありましたが、在庫のダブつきで価格が下落、3月に入ってから需給調整が進み再び値を戻しつつあります。

【RDS.B株価】
RDSB20180329.png 
2月初の決算不良と原油相場の下落で株価は大きく下げてきましたが、最近では原油相場の回復に合わせて株価も下げ止まった感じです。原油相場は2014年頃に1バレル100ドル近かった水準に較べると現在はその2/3程度まで落ち込んでいますが、リストラによって収益力を高めてきています。

最後に今後の業績見通しですが、

【EPSの実績と予測】
RDSB EPSの実績と予想 
シェルは高い収益予測に対して実績が今一つ届かない状態できました。次の第1四半期はこれまで以上に高い予測が行われており投資家の期待が集まっています。

シェル社株の魅力は何と言っても高い配当にあります。配当だけで年利7%近くを稼ぎ出してくれており、収益が下がっても配当を払い出し続ける姿勢は素晴らしいものがあります。

一介のホルダーとしてはこのまま収益が改善して増配当が再開されることを願いつつ次の4月末の決算を待つばかりです。



それでは☆彡
 
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2018
03.29

インデックス投資家はファンドの上場廃止や繰上償還に御用心

Category: 情報
ゆきだるまです。

株式投資で一番恐ろしいことは何か?

 倒産

株が無価値になる出来事です。

インデックス投資のメリットの一つは、個別株の様な倒産があっても複数銘柄で構成されたファンドなので被害が軽傷で、かつ銘柄の入れ替えが行われるので倒産によってファンドの価値が滅失されるリスクは殆どありません

例えばS&P500のETFや投資信託に投資している人にとって、仮に1銘柄が倒産したとしてもファンドに占める割合は1/500(平均0.2%)なので、瞬間的には基準価額がその分下がることになりますが、銘柄の入れ替えにより穴が補修されていくことになります。

こうした倒産リスクが回避されることはインデックス(ファンド)投資の最高のメリットだと思います。なぜならばアメリカそのものと云われるS&P500の全社が倒産することなど全く有り得ない想定だからです。

しかしインデックスファンドにも落とし穴はあります。それは

 ETF:上場廃止 投資信託:繰上償還

どちらもファンドが存続しなくなる出来事です。

年明けから米投資会社最大手のブラックロック社がファンド解約の悲報を連発しています。

1月には10本のETFの上場廃止

(対象ファンド)
・1581  iシェアーズ 先進国株ETF-JDR(MSCIコクサイ)
・1582  iシェアーズ エマージング株ETF-JDR(MSCIエマージングIMI)
・1583  iシェアーズ フロンティア株ETF-JDR(MSCIフロンティア100)
・1587  iシェアーズ 米国超大型株ETF-JDR(S&P100)
・1588  iシェアーズ 米国小型株ETF-JDR(ラッセル 2000)
・1589  iシェアーズ 米国高配当株ETF-JDR(モーニングスター配当フォーカス)
・1590  iシェアーズ 米国リート・不動産株ETF-JDR(ダウ・ジョーンズ米国不動産)
・1361  iシェアーズ 米国ハイイールド債券ETF-JDR(iBoxx ドル建て LHYC)
・1362  iシェアーズ 新興国債券ETF-JDR(自国通貨建)
・1363  iシェアーズ 米国債ETF-JDR(米7-10年国債)

3月には10本の投資信託の繰上償還決定

(対象ファンド)
・i-mizuho 先進国債券インデックス(為替ヘッジあり)
・i-mizuho 先進国インフレ連動債券インデックス
・i-mizuho オーストラリア債券インデックス
・i-mizuho ハイイールド債券インデックス(為替ヘッジあり)
・i-mizuho 先進国株式インデックス(為替ヘッジあり)
・i-mizuho 欧州株式インデックス
・i-mizuho オーストラリア株式インデックス
・i-mizuho 東南アジア株式インデックス
・i-mizuho 中国株式インデックス
・i-mizuho 先進国リートインデックス(為替ヘッジあり)

ETFの1581は日本でも人気のあるMSコクサイに連動したインデックスですし、1589は高配当ETF「HDV」の日本上場版です。私も1589日本版HDVは取得を考えた時期もあるだけに微妙な思いです。

インデックス投資家は長期投資を目指している人が多いはずなので、急に上場廃止だとか繰上償還だとか云われても非常に困ります

こうしたファンド商品が消滅する一番の理由は購入者が少ないことです。ファンドの運営経費である手数料が取れなくなれば運用会社は容赦なく解約を迫ってくるということです。この辺は目論見書に基準があるので良く読んでおいた方が良いです。

日本版のファンドは海外の人気のインデックスに円貨で投資できる手軽さはありますが、購入者が少ない実態があります。通常取引では流動性に欠けるという声が多く寄せられる一方で、最後は強制解約という末路が待ち受けています。

米国株投資はマイナーな存在だと思い知らされる場面ですね。我々の間で人気の1557S&P500ETFでさえ日取引量が300~3000くらいの非常にニッチなマーケットです。機関投資家は本家SPYを買うでしょうから個人投資家だけでは展望は明るくありません。

強制解約になると残余財産は購入者で分配することになりますが、返還時の基準価額がマイナスの時に打ち切りになったり、仮に基準価額的にはプラスであってもファンドが損耗していれば満額返ってこない可能性があったり、最悪は元本割れしていることもあるかもしれません。

NISAで運用していれば、強制解約となった枠も戻ってきません

いずれにしても投資家側に有利な形で終わる保証がどこにもないのが、この強制解約です。予防策としてはETFは流通量の少ない日本版を避けて本国版にするか、投資信託は純資産額の多いファンドを選ぶしかないと思っています。

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2018
03.28

長期投資の果てに株はいつ売るか?

Category: 投資方針
ゆきだるまです。

長期投資をしている方はいつ株を売る予定ですか?

相続や寄付、コレクションを前提に株を持っている方は別にして、
リタイア後の生活資金として株をいつ売るかについて話をします。

ゆきだるま50歳、そろそろリタイア後の身の振り方を考える年頃です。金融に対して特別な才覚はありませんが、まだ「時間」はあると考えており投資対象は株式100%でいこうと考えています。

不確実な株式相場の中でも過去の実績から「時間」は確実なリターンを約束してくれる貴重な存在です。株式投資のリスクの一つがボラティリティ(値動きの大きさ)ですが、過去の研究では概ね20年保有していればマイナスになることはないという結果があります。

逆に云えば投資に20年を掛けられない人は確実なリターンを出すことには難しいということになります。株式投資は若いうちから始めるべきという所以はここにあります。

実例でみてみましょう。

【30年間のS&P500の動き】
投資期間とリスク・リターン

図のフルスケールである30年が経過すると確実にリターンが出せるのがお分かりいただけると思います。30代はもちろん、40代の方でもこのスケールの投資は可能です。

では50代はどうかというと、株を売る時にリーマンショックが来たと仮定すると、過去の例に習えば、それまでの投資期間が10年間だとマイナス、20年間だとプラスになります。

つまり、これからリーマン級の暴落がきても20年以上投資している人は耐えられる可能性が高いということです。

私の株の売り方

リタイアの時期は人それぞれですが、ゆきだるまの年代は65歳で定年、年金の支給開始が70歳となっていることを想定して、70歳までは仕事により生活資金を得ていくことを考えています。仕事をするのは好きなのでアーリーリタイアは今のところ考えていません。

そのため投資期間は50歳から70歳まで20年は確保できると考え、株式100%で投資を行う予定としています。

70歳になって年金以外に定収がなくなった時ですが、ここで新規の投資は終了にしようと考えています。退職金は定収がなくなる直前に出るものなので株式に投資するのは止めようと思っています。

70歳からは年金と退職金の取り崩しで生計を立てつつ、株式の配当を得ながら順次売却して補填していきます。

現在、インデックスと高配当株の2本立てでポートフォリオを組んでいますが、まず処分するのはインデックスからで、高配当株は最後の最後まで絞れるだけ絞ってから元本を処分することを考えています。

私が高配当株を重用する理由はここにあり、最後の出口戦略を考えた時に20年あれば配当金の積上げで元本分がカバーできており、その後も配当で安定収入が得られると考えているからです。

その時にはジョンソン&ジョンソンやコカ・コーラは宝の成る木に成長していってくれることを夢にみて今日もコツコツと買い増していこうと思っています。

【ジョンソン&ジョンソン55年にわたる増配当実績】
JNJ配当実績~2017
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2018
03.27

沈むフェイスブック(FB)、デジタル広告の巨頭は買いか?

Category: 観測
ゆきだるまです。

米中貿易戦争の解決に向けて双方の歩み寄りが始まり市場は大きく値を戻しています。

【NYダウ平均株価】
ダウ20180326 

FBの株価は一時150ドル割れも

しかしながら米中問題とは別にデジタル広告業界を牽引するFB(フェイスブック)は依然として沈んだままです。事の発端は個人情報の大量流出。2016年の大統領選挙でトランプ陣営側の英データ分析会社ケンブリッジ・アナクリティカがフェイスブックが保有する数千万人に及ぶ個人情報を不正に使用したことが発覚し、フェイスブック社の情報管理のあり方が問われています。

【フェイスブック株価】
FB20180326.png 

フェイスブックは匿名性の高いネット社会の中にあって、実名での対話を前提とした画期的なSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)として脚光を浴びてきました。今や世界中の利用者は20億人を超えると云われており、同社のビジネスは膨大なユーザーに提供する広告収入に支えられています。

【テレビ広告を凌駕するデジタル広告の割合】
デジタル広告とテレビ広告の割合と展望 
デジタル広告市場の中でもYouTubeを傘下にもつグーグルとフェイスブックのシェアが抜きん出ており、二社での独占化が進んだ状態となっています。企業にとって両者の魅力は膨大なユーザー数にあり、特にフェイスブック社は個々の個人情報に紐づけられた消費者ニーズの的確な分析力にあると云われています。まるでフェイスブックに監視されているように、欲しいモノの広告が目の前に現れるのはお馴染みの現象にもなっています。

【米デジタル広告市場のシェア】
米デジタル広告のシェア 

卓越した成果

フェイスブック社の過去5年間の業務成績をみてみましょう。

【FBの売上高・営業キャッシュフロー・純利益】 単位100万ドル
FB売上高・営業CF 
【FBの1株利益、配当は0】
FB EPS,DPS 
【FBの営業キャッシュフローマージン】
FB 営業CFマージン 

ビジネスモデルとして最強の成績を上げており、営業キャッシュフローを売上高で割った営業キャッシュフローも15~35%あれば優秀といわれる中で驚異的な水準を叩きだしています。

フェイスブック離れが加速?

ユーザーの間では「#DeleteFacebook(フェイスブックを削除せよ)」のハッシュタグを付けたツイッターへの投稿で、フェイスブックに見切りを付けたと主張する動きも

今回の事件を景気に「フェイスブックを削除せよ」のハッシュタブを付けたツイッターへの投稿でフェイスブック離れが加速していると云います。昨年から米国内でプラットフォーム上の偽情報の乱用に対するフェイスブック側の対応が悪いとして批判があがっており、ユーザーのアクセス時間も昨年10~12月期で全体で5%減少、最も市場の大きい北米地域で毎日ログインするユーザー数が70万人減ったとの調査結果も出ています。ユーザー離れは同社ビジネスの根幹にかかわるだけに今後の対応と推移が見守られるところです。

フェイスブックは買いか?

【FB社株価5年】
FB株価(5年)

最近のピークから8%近く下落したフェイスブックの株価。これまでの業務成績は非の打ちどころのない超優良企業です。何よりも強いのは全世界20億人を超すユーザーで、これだけで比類なきワイドモートを築きあげています。無配当の企業には興味のないゆきだるまも、ここまで下がると流石に食指が動くレベルです。果たして今回の事件が一過性のものになるのかどうか、グロース株は落ちるのも戻るのも早いので、決断に残された時間はそれほど多くはないかもしれません。

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2018
03.26

週明けの相場を握る米中貿易戦争の動向

Category: 観測
ゆきだるまです。

米中貿易戦争の懸念から市場が混乱して週末を終え、NYダウは週間で5.7%下落しました。今週はその続きから始まることになりそうです。

【NYダウ平均株価】
ダウ20180325 

そもそも木曜日に米国が中国の知的財産権侵害を理由に経済制裁を発議したのが原因で、金曜日には中国が報復措置を表明したため二日間にわたって相場は大きく下げました。

米国は中国に対して最終的に約600億ドル(6兆3千億円)相当の輸入品に対して関税を強化するとしており、さらにトランプ政権は対中貿易赤字3750億ドルのうち即座に1000億ドル(10兆5千億円)分の減額も求めています。

今回の戦いは中国優位・米国不利だとする見方も

一つ目は中国は自国生産力を高めており、米国への輸出が制限されても自国の成長に大きな影響はない。この10年間で中国のGDPに占める輸出割合は35%から19%に低下しており、今回の関税強化によっても本年成長目標6.5%のうち0.1ポイントを押し下げる影響しかない。

二つ目は、米国が提示したハイテク製品への高関税は、例えばアップル社のiPhone(アイフォーン)は中国で製造した多くのパーツを米国が輸入しているなど、これらに関税をかけるのはブーメランの様に自国に戻ってくることになる。

三つめは、中国は世界最大の米国債(1.2兆ドル:約126兆円)の引き受け国であり、今後の国債の引き受け停止はもちろんのこと、売却に踏み切られると米国市場は最悪の事態になる。

中国も米国との貿易戦争の長期化・深刻化は望んでいない様子で、報復措置は今のところ限定的です。米国の主要輸出品である大豆やソルガム、ボーイング製の航空機は対象に含めておらず、今後の交渉余地を残しているとみられています。

また今回の経済的制裁とは別の動きとして、鉄鋼・アルミニウムに対する関税強化では対象外の国を設ける一方で中国、ロシア、日本は対象とされました。これから北朝鮮との交渉に当り近隣の中国・ロシアと反目したままで大丈夫なのか懸念が残ります。

相場の状況は?

中国売上げ高の大きい航空機のボーイング(BA)、工業製品・事務用品のスリーエム(MMM)、建機のキャタピラー(CA)が大きく売られました。また金利関連でゴールドマン・サックス(GS)JPモルガン・チェース(JPM)などの金融銘柄が低調、会員情報流出問題でフェイスブック(FB)が大きく下げるほか、アマゾン(AMZN)などハイテク銘柄も下げています。

【BA:ボーイング株価】
BA20180323.png 
【MMM:3M株価】
MMM20180323.png 
【CAT:キャタピラー株価】
CAT20180323.png 
【VFH:金融関連株価】
VFH20180323.png 
【QQQ:ハイテク関連株価】
QQQ20180323.png 

米国市場は全面的な株安に加えて、為替も円高に振れており、米国株保有者にとっては冴えない週明けが始まろうとしています。市場動向を決めるのは国際情勢に関することなので収束点が見出しにくい状況です。それでも円高・株安という「買い」の好機ですので心とお金の準備は進めておくことが吉かと思います。

年度末です。今週も頑張っていきましょう!

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2018
03.25

ドルコスト平均法という呼び名がもたらす誤解と混乱

Category: 投資方針
ゆきだるまです。

最近「ドルコスト平均法」が話題ですね。推奨から反証まで百花繚乱、

ドルコスト平均法って一体何!?

という疑問も同時に沸いてきています。

疑問02 

ある時は定額積立の別の呼び方であったり、ある時は時間分散による価格平準化という投資目的を語っていたり、ある時は感情を排除する精神的効用を謳っていたりと調べれば調べるほど訳が分からなくなってきます。

今やドルコスト平均法という言葉自体が、日本語の「どうも」とか「すみません」ぐらいに多様な意味をもっています。私自身「定期に定額で買い付ける行為全般」がドルコスト平均法だと広く捉えており、このブログでも過去に18回もドルコスト平均法という言葉を使用してきています。そこで、

今日は「ドルコスト平均法」という言葉をゆきだるまがどう理解して使用しているかを綴っていきます。

あくまで個人的見解ということでお読みください。

先にも書きましたが、私の考えるドルコスト平均法は「定期・定額により買い付ける行為全般」です。これから先は投資主体による違い、資金調達の問題、相場への適用、精神的な効用などの切り口でそれぞれみてみます。


1 金融リテラシーの熟度からみたドルコスト平均法

(1)ビギナークラス

初心者 
何に投資したら良いか分からないが投資はしてみたいレベル。リスク許容度が低く資金の一括投資はとても無理。まずはお試しで少額を投資してみて、自信と経験をつけながら段々と投資額を増やしていく段階。若葉マークのドライバーが徐々にスピードに慣れていく感じです。

金融庁や証券会社が投資の入門編として積立て投資を呼び掛けているのがこのクラスです。入門者は一度に資金を失う恐れがないので精神的に受け入れやすい、証券会社は定額購入のお客が獲得できる、政府は貯蓄が投資に回される、三方両得状態なのが積立て投資なのです。

そもそも国の機関である金融庁が、積立て投資の説明に「ドルコスト平均法」というもっともらしい言葉を使い、「リスク回避や価格平準化のために時間分散をすることが万人に共通した正当な投資法」の如く推奨するという罪つくりをしています。

(2)エキスパートクラス

ビギナーも投資の世界に足を踏み入れると自分の中にリスク許容度のモノサシができてきます。いたずらに投資資金を留保するのは機会喪失のリスクになることも分かってくるので、時間分散を狙った積立て投資は馬鹿々しくなります。

ここでいう留保資金は投資に回しても良いのにリスクを恐れて無意味に留保しているものを云い、投資に回してはいけない生活防衛資金とは別のものです。また暴落時などに備えて戦略的に留保している資金とも異なるものです。

(3)神クラス

「分散投資は無知に対するリスクヘッジだ」と語るのは投資の神様バフェット師。これは究極の真理です。つまり自分が投資すべきモノとタイミングを完璧に理解できている人は銘柄も時間も分散しなくなります

「buffett warren」の画像検索結果

2 資金力からみたドルコスト平均法


給料から毎月定額で投資(積立)をする場合です。投資資金がなければ結果的に給料日を待って時間分散をせざるを得ず、これは純粋な定期・定額買付的な意味でのドルコスト平均法をとる以外に選択肢はありません。

3 相場に応じたドルコスト平均法

ドルコスト平均法は分割買付をすることで買付価格を平準化する効果があると宣伝されていますが、これも相場動向によりけりです。分割買付は価格が上下動するレンジ相場や下落相場では有効な時もありますが、上昇相場では総じて無意味です。

米国株投資は長期でみれば上昇相場なので、わざわざ余裕資金があるのに時間分散をするのは単純にモッタイナイ話になります。そもそも長期的に上昇しないものに投資すること自体がナンセンスかもしれませんね。

逆に分割買付をする場面ですが、ストックとしてのドルへの両替などは為替自体がレンジ相場を形成しているので有効だと思っていますし、下落相場などで試し買い的に分割買い付けをすることもあり、当ブログではこうした事例への対処の際にドルコスト平均法という言葉を使って説明をしてきています。

【ドル円相場5年】
チャート画像

4 精神的効用からみたドルコスト平均法

タイミング投資のジレンマから解放してくれる点で機械的な定期・定額買付は素晴らしい方法だと思います。

薬 

以上が私の考えるドルコスト平均法ですが、言葉の意味を幅広く捉えるのであれば投資スキルや場面に応じた使いわけをすれば良いと考えています。ドルコスト平均法は決して万能薬ではありませんし、使い方によって毒にも薬にもなるものです。使用法をあやまれば副作用もあると思います。

現在、妻に家族ぐるみの資産運用を勧誘中ですが、この場合「貯金をフルインベストメントしようぜ」などとは切り出せないので、「ドルコスト平均法って投資法があって、段階的に投資するとね・・・」とか言って相手の心証を良くすることを第一においています。

要は〇〇とドルコスト平均法は使い様ですね。

それでは
 
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2018
03.24

おはぎゃー!(NY暴落の翌朝)をチャンスに変える!

Category: 試行錯誤
ゆきだるまです。

金曜日の朝は、NYダウの全銘柄が下落していて、久し振りで「おはぎゃー!」を叫ばれた方もいらっしゃるかもしれません。今朝も米中貿易戦争への懸念から引き続き下落しています。

【NYダウ株価】
ダウ20180323 

ちなみに「おはぎゃー!」とは

おはぎゃーは、「おはギャー」や「おはぎゃぁぁぁぁ」とも記載され、挨拶の「おはよう」と驚きの「ぎゃー」を組み合わせた俗語(ネットスラング)をいいます。これは、主に個人がネットで使う(書き込む)用語で、朝起きて、外国為替市場や海外株式市場(外国株指数や日経平均先物)などの市況が予想外に(自分の意図とは大きく違う方向に)変動していた場合や、外国為替証拠金取引で大きな含み損が発生していたり、強制ロスカットされた場合に、心の中での"悲痛な叫び"を表現したものです。(金融経済用語集より)

さけび 
米国市場は日本では深夜から早朝にかけて開場しているので、睡眠中に起きた暴落は翌朝知ることになります。おはぎゃー!を幾度となく経験すると安眠できなくなり、すごく健康に悪いですよね。日本の米国株投資家は常に楽観していられるメンタル力も求められます。

さて、おはぎゃー!ですが、(暴落が)起きてしまったことは取返しようがありませんが、ピンチをチャンスに変える方法がないわけではありません。それは何かというと日本版S&P500ETFの活用です。

有名なところでいくとステートストリート社SPYの日本版ETF「1557」や最近上場したブラックロック社IVVの日本版ETF「1655」があります。

S&P500に連動したETFなので前夜の米国での暴落は翌日の日本版ETFの基準価額に反映されることになり、下落の状況を把握しながら割安な値段でS&P500ETFを買うことができます。特に1655は1枚2千円前後なのでお試しにはもってこいです。

(過去記事)S&P500の新しい日本版ETF【1655】に注目してみた

過去のデータを幾つか調べてみました。

前夜の米国市場で4%以上の下落があった時の翌日の日本版ETF1557の価額状況です。
米国での日付前夜米国市場下落率翌日1557始値下落率翌日1557終値下落率
2011年8月08日ー6.66%ー4.82%ー6.25%
2011年8月04日ー4.78%ー4.50%ー4.60%
2011年8月18日ー4.46%ー4.40%ー4.18%
2011年8月10日ー4.42%ー4.42%ー2.76%
2018年2月05日ー4.10%ー4.91%ー5.94%
*1557の下落率はいずれも前日終値を基準にしています。

日米間の為替差などもあって前夜米国値と翌朝日本値は一致しませんが、木曜夜から金曜朝にかけては円高にも振れていたので米国の下落率が3%弱のところ日本版ETFの下落率は4%超になっていました。

おはぎゃー!の朝は気を取り直して割安になった日本版S&P500ETFを買って価格回復による差益獲得を狙ってみてはいかがでしょうか。ただし今回のように数日連続して下落するような場合もあるので注意は必要です。

さらに応用すると、米国市場が暴落した翌日は日本市場も荒れることが多いので、日経やTOPIXに連動したベア型ETFを仕込んでみるのもありかもしれません。

米中貿易戦争については、米国の中国に対する制裁発議に呼応して今度は中国が米国に対する報復措置を表明したため、しばらくは市場の低迷が続きそうですね。

良い週末をお過ごしください。
 
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2018
03.23

今度は米国の中国制裁で揺れる市場

Category: 観測
ゆきだるまです。

昨日までのFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ討論に引き続いて、今度は米国が中国の知的財産侵害に対して経済制裁に踏み切ることを決断しました。

米国は1995年の世界貿易機関(WTO)発足以来、久しく日の目を見なかった通商法301条を発動し、500億ドル(約5.2兆円)相当の中国製品に高関税を課す方針です。



報道によれば、米通商代表部(USTR)は昨年夏から大統領の指示を受けて実態調査を開始して中国の知的財産権侵害を認定関税引き上げの対象商品はUSTRが15日以内に公表。ハイテク製品が中心となる見通し。あわせて中国企業の対米投資を制限し、世界貿易機関(WTO)に中国の知的財産権侵害も提訴する。

(中国企業の知的財産侵害の実態)
・米企業の中国進出に当り合弁企業の設立などで技術供与を強要
・他国の特許情報の模倣を実践し、スパイ活動・技術者のヘッドハンティングで補完
・官民挙げての計画的な模倣活動の前に個別の裁判での審理も難航
・模倣技術を逆に自国の特許として出願して保護。中国の特許出願件数は世界一に

中国のパクリ文化は日常生活でも良く目にするところですが、知的財産権侵害は莫大な費用と時間をかけた企業価値が盗用されるという看過できない問題です。今回の米国の措置に関しては欧州、日本など先進諸国も支持する見込みです。

市場の反応

米国の制裁発動に対して中国側も報復の構えをみせており両国の貿易戦争に突入するのではないかとの懸念が広がっています。先般のアルミニウムの関税強化騒動に続きキャタピラー(CAT)、ボーイング(BA)の株価が下落(前日比5%超)してダウの下げ(前日比約3%)を先導しており、VIX(恐怖指数)も久し振りに20の大台に乗りました。

【NYダウ株価】
 ダウ20180322a 
【キャタピラー株価】
CAT20180322a.png 
【ボーイング株価】
  BA20180322a.png
【VIX恐怖指数】
  VIX20180322a.png

これから先、米国を巡る国際社会の動きがキナ臭くなりそうですね。3月23日には貿易保護を目指した鉄鋼とアルミニウムの輸入制限が発動。また、5月までを目標にしたトランプ米大統領と金正恩北朝鮮国務委員長との対話実現など、トランプ政権の言動は国際社会と世界経済を大きく揺さぶる可能性があり、市場の動向は要観察ですね。

それでは
 
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2018
03.22

FRBの利上げ決定にみる高配当株投資家の立場

Category: 配当
ゆきだるまです。

FRB(米連邦準備理事会)が21日(日本では22日明け方)のFOMC(米連邦公開市場委員会)で昨年12月に続き利上げを決定しました。年4回の利上げが噂される中で、今回の決定は年3回を維持、利上げ幅は0.25%とするもので、利上げ加速の危機はひとまず解除された形で終わりました。

しかしながらFOMCの出した声明では、雇用情勢は堅調で物価上昇も今後続く見通しをもっており、更なる利上げの可能性は残しています。

2月5日のパウエルFRB新議長の利上げ観測発言で世界的な株価急落を誘発したのは記憶に新しいところです。FRBの重要な仕事の一つに金利によるインフレコントロールがあり、歴史的には金利設定が市場暴落を誘発する要因となっており投資家にとってはデリケートな話題となっています。

【米長期金利と株価調整】  引用:エコノミスト(3/28号)
利上げと市場暴落 

これまで株式相場の緩やかな上昇気流に乗って誰もがリターンを出してこれましたが、これから先の見通しは一変していく感じです。先に記事にもしましたが、ウオーレン・バフェット、ビル・ゲイツの両賢人がリーマン級の市場暴落を予測しており、油断は禁物です。

(過去の記事)バフェットとゲイツ~二人の賢人が予言する大暴落の到来

これからの株式相場と高配当株戦略について

2月初の株価一斉下落で高配当株も一緒に下落をしていきました。高配当株は従来から市場の下落局面に強いと云われてきただけに戸惑われた方も多いと思います。

そうです。高配当株は金利上昇とは相性が悪いのです。

もう少し補足をすると、金利が上がると既存の債権が売られて利回りが上がることになります。投資家はリスクの高い株式から債券に乗り換えていくため株価が下落していく構図になると理解をしています。

FRBは今後の利上げの余地を残しており、長期債の利回り(現在2.91%)も高止まりが続きそうです。裏を返せば高配当株の株価がしばらく冴えないものになるとみています。

では、高配当株に見切りをつけるべきか?

逆です。株価が下がれば更に配当利回りが良くなるのでむしろ買いです。高配当株で長期投資を目指す者は株価下落を喜ぶべきだと思います。株価は市場が付けるものであり、企業収益が健全なのに市場のトレンドで株価が下がったようなときは当に買いなのです。

まあ、買い急げというものではなく、株価を気にせずにいつもどおりコツコツと買い増していったら良いと思います。

また来たる暴落に備えて、バフェット氏が「冷静でいれば暴落は好機となる」と株主に宛てた手紙で述べているとおり、現金余力は残しておいた方が良いかもしれません。

それでは
 
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