2018
02.02

【決算】AT&T急上昇!5G化に忍び寄る中国の影

Category: 【T】AT&T
ゆきだるまです。

1月31日の閉場後にAT&Tの2017年第4四半期の決算発表がありました。結果は非常に良好でした。
株価ロケットが大きく上昇中です。

【AT&T株価推移】
ATT株価20180201 

【今期決算概要】

売上高417億ドル(前年同期418億ドル、予想412億ドル)
純利益190億ドル(前年同期24億ドル)
1株利益0.78ドル・減税による影響+0.13ドル(予想0.65ドル、前年同期0.66ドル)
今期の電話利用者(毎月利用料支払い)数は32万9千人増加(前年同期6万7千人減)

(1株利益の状況)オレンジ:実績、白丸:予測
ATT1株利益2017年4Q 
【2017年の通年決算】
売上高1605億ドル(前年1638億ドル)
1株利益3.05ドル(前年2.84ドル)
フリーキャッシュフロー176億ドル(前年169億ドル)

【2018年見通し】
1株利益3.50ドル(予想2.97ドル)
フリーキャッシュフロー210億ドル、設備投資250億ドル
「税制改革法案成立によるインパクトはポジティブ」とのコメント
税制改革効果:2018年の設備投資に10億ドル、第4四半期に従業員特別ボーナス2億ドル以上

以上、軒並み好調な数値が示されました。

配当余力は大丈夫?

AT&Tは高配当が魅力な銘柄ですが、配当(DPS)に対する余力がいつも気になるところです。次の中間配当から増額(0.49ドル→0.50ドル)となりますが、通年での1株利益(EPS)との関係をみてみましょう。

2017年の配当性向:DPS1.96ドル/EPS3.05ドル=64.2%
2018年の配当性向:DPS2.00ドル/EPS3.50ドル=57.1%

本年も配当維持は十分OK!そうですね。

AT&Tが直面する2つの懸念

2つの懸念のうち、1つ目はタイムワーナー社の買収の見通し、2つ目は次世代高速通信(5G)のネットワーク整備の国営化検討です。

タイムワーナー社の買収

AT&Tが854億ドルで買収する計画を2016年10月に発表しましたが、2017年11月20日に米司法省が独占禁止法に抵触するとして計画阻止のための訴訟を提起しました。連邦地裁は審理開始日を3月19日に設定。両者の買収合意期限は4月22日なので、担当判事は両者に対して期限延期を進言しています。

訴訟が長期化すれば「通信とコンテンツの融合」というAT&Tの事業実現が先延ばしとなり、昨年12月にはディズニーが21世紀フォックスの買収計画を発表するなど熾烈を極めるメディア取り込み競争に後れをとることになります。また買収断念となるとAT&Tがタイムワーナー社に5億ドルの違約金を支払うことになります。

AT&TのスティーブンソンCEOは、決算発表と同時に「政府の懸念に対応するための合理的な解決策を模索する余地はまだあるが、最終的には法定で争うことになるだろう。今回の買収実現には引き続き自信を持っている」と語っており、今後の推移が注目されるところです。

5Gネットワークの国営整備検討

1月28日にトランプ大統領の国家安全保障チームは、中国による米国内の通信傍受の脅威に対抗するため、次世代高速通信(5G)ネットワークの構築を国営で実施する検討案があることを明らかにしました。

今年に入って米国政府は中国のアリババ集団の米企業買収阻止通信大手ファーウエイ製品の米国内販売禁止措置を行いました。これはトランプ大統領主張の米保護主義の観点もありますが、こと通信に関しては中国企業に対する積年の不信感が強くあるようです。

2016年に中国通信大手の中興通訊(ZTE)が長年にわたり米国からイラン・北朝鮮に輸出禁止の通信機器を違法に輸出していた事件が発覚。ZTEは1360億円近い罰金を米国に支払う事態に発展しました。

またファーウエイはオバマ政権下で2012年に米議会の調査で「中国共産党や軍との関係から米国安全保障上のリスクとなる」と指摘され米市場に出入り禁止措置が取られています。

今回、ファーウエイはAT&Tを通じて米国内販売を画策しましたが、国家安全保障上の理由で米当局から再び販売ストップがかかっています。

ここまでは企業レベルを通じた問題でしたが、今回の米政府の5G国営化検討の理由には、通信網整備を従来の民間ベースでの免許制とした場合、中国企業の参入や通信傍受の懸念が払拭できないことがあるようです。米通信業界では既に5G整備に多額の費用投資を行っているため猛反発をしています。

5Gネットワークは未来のAIやIoT化に欠かすことが出来ない社会基盤ともなるため、本来的には市場ベースで開発を行ってくいくべき話です。日本の国鉄(現JR)、電電公社(現NTT)を例にみても国の管理下におかれて自由市場が発展していくとは思えません

話が国防絡みとなるとややこしくなりますが、これはAT&Tに限った話ではなく米通信界全体の問題ともなるので、これも要注目かと思います。

それでは
 
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