2018
02.28

投資信託の分配金と再投資についての誤解と謎

Category: 情報
ゆきだるまです。

投資信託の分配金と再投資について、ブログやツイッターを拝見すると多くの方が誤解しているように感じましたので整理してみたいと思います。自己調査によるものなので事実誤認がありましたらご指摘をお願いします。

なお、ここではNYダウやS&P500等のつみたてNISAで対象となるようなインデックスファンド(特定指数連動型)を取り上げることとします。

誤解1 分配金を出すと元本が減るという誤解

「分配金が出ると元本が減るので無分配型が良い」という意見を見かけますが、普通分配と特別分配が混同している風に見受けます。

ファンド収益(配当利息、売買利益等)のみを分配したものは普通分配で課税対象です。一方で毎月分配型と銘打ったバランスファンドに多いのが定額の分配金を出すために収益以外に投資元本も分配に回しているタコ足型です。元本取崩し分は特別分配といって非課税扱いになりますが、元本が目減りしていくので資産形成向きではありません。

元来インデックスファンドではタコ足型は見たことがなく、つみたてNISAで金融庁がタコ配型は排除された商品を提示してますので、こうした誤解は減ってきているように思いますが、それでも一部にはタコ足不信の方が根強く残っている感じがします。

誤解2 分配金再投資型と無分配型の混同

「分配金が出ると課税されるので無分配型が良い」という意見を見かけますが、無分配型という言葉の意味がつかみかねるものが多いです。

おそらく分配金相当の収益をファンド内で還流(再投資)させれば非課税になって効率的だという意味で使われているのだと思いますが、それを無分配型と呼ぶのであれば、そのような仕組みのインデックスファンドはみたことがありません。(オリジナリティの高いアクティブファンドではありそうですが)

また「運用状況で分配金ゼロが続いているのを見てこれは無分配型だ」とされる意見も多くみます。確かに分配金が出ていないので無分配なのですが、これも非課税でファンド内再投資が行われているという希望的な誤解を含んでいる感じがします。

分配金を出していないのは分配収益はファンド内で留保・繰越としているものが多く、分配金も出ていなければ、再投資も行われていないのが実態です。運用状況報告書を見ればそのような記載に多く遭遇します。

大体においてインデックスファンドを銘打っているものが、分配金をファンド内で再投資などしたら基準価額が増加してしまいインデックスと乖離してしまいます。

分配金再投資の基本形としては、基準価額はインデックス連動であり、分配金再投資は一旦振り出した分配金を新たに買付をして口数を増やしていく形をとっています。

誤解3 分配金再投資は非課税で行われているという誤解


一番多い誤解がこれですが、分配金は再投資コースを選ばれても非課税になることはありません。先にも述べましたが、分配金再投資コースは、分配収益は税金が差し引かれて一旦は振り出した形にしています。それを購入者には直接渡さずに自動で新たな口数の買い付け作業を行っています。これも先の無分配型に通ずる誤解だと思います。

分配金再投資が非課税でないことは以下をご参照ください。
(参考)楽天証券トウシル:受取型と再分配型、分配金の受取方法を確認しよう

疑問 

インデックスファンドは分配金再投資が行われていないものが多いという結構衝撃的な実態


運用状況報告書をみると分配金ゼロ(当然のことながら再投資もゼロ)が続いているものが多いです。例えば昔からあるSMTAMダウ・ジョーンズ・インデックスファンドをみてみると過去8回の決算で3回しか分配金の拠出と再投資が行われていません。誤解2にあるように分配収益はファンド内で留保・繰越がされています。

NYダウ決算 
例えば先のファンドも1万口あたり21,978円が分配金相当額の翌期繰越対象額となっており、かなりの額が積み上がっています。この辺はもう少し調べてみないと分からないのですが、例えば繰上償還や手数料不足等に備えてファンド側で原資がプールされ続けるのだとすると投資家には全く還元されないことになります。

NYダウ決算-2 

まとめ

インデックスファンドでの投資信託はお手軽に積立ての資産運用が出来る一方で、分配金と再投資の取り扱いには誤解も多いです。全部を調べたわけではないのですが、積立て投信の最大のウリである分配金再投資が行われていないという謎の実態も多く見受けられます。

もし分配再投資が行われていないのだとすると投資戦略そのものを見直さなければならなくなる人も多いかと思います。

最近人気の楽天バンガードシリーズやiFreeシリーズなど低コストの投信は未だ設定来間もないので実績が出ていませんが、これらも注意深く見守っていく必要がありそうだと感じました。

それでは
 
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コメント
はじめまして。

日興アセットマネジメントの資料によれば、
『分配対象収益』とは単なる会計上の区分であり、
実際には日々運用されている資産だそうです。
別枠で現金が確保してあるわけではないようです。

下記の6ページから引用します。
https://www.nikkoam.com/files/fund-academy/nikkoam-message/pdf/message_2.pdf

「会計ルールは、健全な運営の継続とお客様間で不平等が生じないことを第一義に「分配して良い範囲」を厳格に定めています。
ただしそれは計算上のことでしかなく、実際の投資信託の「中身」は、運用方針に沿って株式や債券などで運用されている資産であり、過去の蓄積を分配のために現金で保管してあるわけではありません。」

記事で引用された資料(8.分配金)にも「留保した利益については、運用の基本方針に基づいて運用を行います」と書かれているので同様かと思われます。
たちばなdot 2018.03.03 10:52 | 編集
たちばな様
コメントありがとうございます。また貴重な資料のご提供大変感謝しております。
本件は本日(3/4)のブログ
http://niftyfifty.blog.fc2.com/blog-entry-389.html
でとりまとめしておりますのでご訪問いただければ幸いです。
引き続きよろしくお願いいたします。
ゆきだるま拝dot 2018.03.04 07:00 | 編集
分配金をファンド内で再投資などしたら基準価額が増加してしまいインデックスと乖離してしまいます。

インデックスには「Gross」「Net」「Price」の3種類があるのでは。
匿名さんdot 2018.03.06 22:10 | 編集
コメントありがとうございます。一連の記事で取り上げた対象ファンドのインデックスは、配当込の特記がないので「Price」であると理解をして話を展開させていただいています。
ゆきだるま拝dot 2018.03.07 02:58 | 編集
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