2018
03.10

PFF(米国優先株式ETF)はリタイア後の資産運用に有効か?

高配当好きのゆきだるまです。

次のようなご質問をいただきました。ありがとうございます。
当方は年金生活の60代ですが、PFFを主力とした配当目的(年金補助)の投資に興味をもっております。 機会がありますれば、そのあたりについてのお考えを記事にてご教示いただければ幸いです。

お見受けすると現役はリタイアされた方ですね、長い間のお勤めご苦労さまでした。ゆきだるまは50歳ですが、おそらく私の時は定年65歳、年金受給開始70歳に引き上げられていることでしょう。質問者様よりも5年間は義務労働期間が長くなりそうです。

さて、ご質問についてですが、私の投資スキルでは回答を書くというのもおこがましいので、同じ境遇であれば、私ならこうするという視点で書きたいと思います。何らかのご参考になれば幸いです。

まず想定したのが、定年退職後再就職なし、退職金+貯金あり、収入は年金のみ、投資はこれから検討と云う境遇です。

「投資」という言葉を使いましたが、投資には生活費とは別に収入があって資産を増やしていく「資産形成」の段階、リタイア後など資産をなるべく減らさずに利殖と活用を行っていく「資産運用」の段階でそれぞれ行動が異なってきます。

多くの投資本やブログでは前者の「資産形成」に視点を当てて書かれていますが、想定のケースは後者の「資産運用」になりますので、その視点で考えていきたいと思います。

人生100年計画

ゆきだるまの投資計画は100歳まで生きることを仮定して考えています。仕事をリタイアする65歳までを「資産形成期」年金受給開始となる70歳までを「資産運用期」71歳から100歳は「資産活用期」として投資行動を分けて考えています。

(参考)ゆきだるま式ポートフォリオの実力検証
※これは生活資金ではなくて、余裕資金(小遣い)の投資計画なので割引いて見て下さい。

大まかに申し上げると100歳の時に資金を全て使い切ることを目標に、ゴールから逆算して各節目の目標値を決める考え方をとっています。

さて、資産運用期のポイントは、給料等の収入がなくなるため、極力元本割れのリスクを避けながら可能な限り資産の利殖に努めるということになります。そのため手持ち資金のうち幾らを投資に回して良いかを算定することが第一歩です。あわせて求めるリターンに対してリスクをどれだけ取れるかということも考えて投資対象を選ぶことになると考えます。

一般に株式投資は概ね20年以上の長期を経過すると値動きのリスクが収束し、常に債権を超えるリターンが得られるようになることで知られていますが、資産運用期ではこうした時間を味方につけた投資法ができないため新規の株式投資は避けたいところです。そのため世間では年齢に応じて安全資産である債権の割合を多くすることが勧められています。

そこで、今日のテーマは、リスクは株式投資よりも少なくて、リターンは債権よりも上の投資商品としてPFF(米国優先株式ETF)はどうかということになります。

PFF(米国優先株式ETF)について

PFFは名前のとおり優先株式を集めた非常にユニークなETFで、米国投資会社最大手のブラックロック社が提供しています。優先株は議決権がない代わりに配当が高く値動きも少ないのが特徴で、債権と株式両方の性格を持ったハイブリット債権などとも呼ばれています。

(参考)ブラックロック社PFF紹介HP

分配金の年間利回り


 名目:5.67%(本日のyahoo finance値)
 実質:4.08%
    =名目額5.67%ー外国税控除10%ー国内税控除20.135%

利回りは非常に高いです。ただし税金を引くと大分目減り感があって、外国税控除も含め27%程度が税金で引かれることになります。

税金を安くする工夫

外国税控除分は確定申告を行うことで取り返すことができると云われていますが、所得税控除の形で還付されるので、リタイヤ後で所得税の納付がない場合は還付もないことに留意する必要があります。この辺は外国株投資の弱点として語られることがよくあります。(以上原文、分離課税のケースなどコメントで補足をいただきましたのでご参照下さい。)

NISA(少額投資非課税制度)を使うと年間投資額120万円までは国内税20.135%の分は5年間(ロールオーバーで10年間)は非課税とすることが出来ます。

NISAを使うと外国税控除分の還付は放棄することになりますが、先の所得税問題もあるのでリタイア後は積極的にNISAを使いたいところです。NISAを使える分の利回りは5.10%と断然有利になります。

PFFの投資リスクとリターン

まず基準価額と分配金の推移をみてみましょう。

【PFF価格の推移】
   PFF株価推移20171211

【分配金額の年額推移】 ※2007年は途中開始のため割愛

PFF分配金額推移~2017年

基準価額は通常は値動きが少なく安定しています。普通株式のようなキャピタルゲインは狙えませんが逆に安定をメリットに感じる方にはお勧めです。

ただしリーマンショックの時は2008年~2009年にかけて大きく価額を下げています。資産運用期では元本割れとなるリスクとして認識しておくべきです。PFFは金融系の優先株が多く、リーマンショックの様な企業倒産の危機にさらされると配当以前の問題になるという例だと思います。

それでも分配金はリーマンショックの際も減額されることもなく高水準をキープしています。この辺はさすが優先株というべきもので、普通株と違った優位性があります。

PFFの魅力の一つに分配金が毎月支払われることがあります。これもリタイア後であれば嬉しい特典の一つだと思います。

【PFF:2017年の月額分配額】
PFF分配金推移2017年(月額)
ETFの構成株式の配当状況によって各月の分配額は若干のバラツキがあります。分配金は構成株式の配当金収入でまかなえており、いわゆる元本払い戻しによるタコ配型でないことは基準価額が減少していないことで分かります。

まとめ

PFF(米国優先株式ETF)はキャピタルゲインは期待できないものの、高い利回り、安定した価額、毎月分配が魅力です。ただし基本は株式なので元企業が倒産するくらいの危機になれば株価(ETF価額)も暴落するリスクは認識しておく必要があります。

名目上の分配金利回りに対して税額は結構大きいです。確定申告等により外国税控除分の還付を受けるか、NISAを使って国内税を積極的に税額を減らす工夫をした方が良いです。

分配金(個々の配当金)は優先株という性格上、減額されにくい性格を持っていますが、株式転換や買い戻しなど優先株は長期運用されるものではないため銘柄の入れ替えが発生します。その時々の組入れ状況によっても分配金の額が変化しますので、これもリスクとして受け止めて置く必要があります。

最後に忘れがちなのが為替です。リタイヤ後は円安が続いて欲しいですね。

これらを認識したうえで、リタイア後の資産運用としてPFF(米国優先株式ETF)は良い選択肢になると考えています。

以上がゆきだるまが資産運用をするとした場合の考えを述べましたがご参考になれば幸いです。こちらも良い勉強をさせていただきました。引き続きよろしくお願いいたします。

 
▼1日1回応援のひと押しをいただけると大変励みになります!
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
ブログ村のランキングサイトに移動します。

★Twitterも良ければフォローしてみてください★

コメント
その分配利回りは既に信託報酬を引かれた後の利回りでは??
ダルだるまdot 2018.03.10 15:49 | 編集
おっと、その通りですね!
分配収益→信託報酬等差引→分配金の流れでした。
修正します。ご指摘ありがとうございました。
ゆきだるま拝dot 2018.03.10 19:56 | 編集
 こんにちは。PFFを持っていますが、2点コメントがあります。
1 前のコメントにもありますが、分配金の利回りは信託報酬を引いた後のものです。
2 外国税額控除の対象になる所得税は分離課税の分も含むようです。このため、おおむね以下のようになります。
(1)配当所得だけの時:分離課税のうち所得税は15%で外国課税10%を超えます。このため、外国税額控除で全額戻ってきます。なお、総合課税にする場合は配当金額が少なければ所得税そのものが少なくなるので、外国税額控除も少なくなります。この場合は外国税額控除が少なくても源泉徴収された税金がかなり戻ってきます。
(2)配当所得以外が少額の時:総合課税の税率が低いので、平均税率が低くなり10%未満になることがあります。このため、外国税額控除で戻る金額が少なくなります。
(3)配当所得以外の所得が多い時:総合課税の税率が高いので、平均税率が高くなります。このため、外国税額控除で全額戻ってきます。
 2については国税庁の説明では所得税としか書いてなく、分離課税分を含むかどうか明記されていません。ブログなどでは収入が少ないとあまり戻ってこないと書いている人が多いですが、作成コーナーで申告書を作ってみると上記のようになります。1と2を合わせると実質利回りはお書きになったより高く4%から4.5%程度になります。
miyadot 2018.03.10 21:10 | 編集
ご指摘ありがとうございました。分離課税のケースが抜けていましたので、コメント参照の形で原文を補足させていただきました。税金はデリケートなので記載には気をつけます。
ゆきだるま拝dot 2018.03.11 03:34 | 編集
ゆきだるま様
リクエストにお応えくださり心より感謝申し上げます。
特定口座での米国ETF投資も予定していますので、外国税額控除に関するアドバイスは今後の参考にさせていただきます。
外国税額控除に限らず何らかの還付申告をすることで税金が戻ってきたとしても、所得金額アップ→翌年の国民健康保険料がアップしてしまう可能性がありますので、申告に際しては損益分岐点を慎重に判定せねばと自戒しております。
PFFについて詳細にご説明いただきありがとうございます。
「元本は値上がりしなくとも良い。日々の生活資金の一助として高利回りの安定した配当金がほしい」という当方の希望に沿う投資商品の筆頭がPFFではないかと考え、お尋ねした次第ですが、何点かのリスクを承知していれば、良い選択肢であるとお答えいただき、安心しました。
そこで図々しく更にお尋ねしますが、
(1)全額PFF(NISA50%+特定50%)
(2)PFF(NISA50%)+HDV(特定50%)
(3)PFF(NISA50%)+HDV(特定25%)+米債券ETF(特定25%)
(4)PFF(NISA50%)+HDV(特定20%)+米債券ETF(特定15%)+ゴールドETF(特定15%)
候補として上記の様なポートフォリオを想定しており、いずれかを今後5年かけて完成させ、以後「資産運用&活用期」(配当を受け取りながら現金部分を含めた定期リバランスのみ行う)とする計画です。
ご意見をうかがいたく、何卒よろしくお願い致します。
gavardinidot 2018.03.12 22:15 | 編集
gavardini様 管理費・税金に関しては他の方の助けもいただきましたが何かしらのご参考になれば幸いです。所得金額がアップすると思わぬ落とし穴がありますよね。リクエストにつきましては少しお時間をくださいませ。引き続きよろしくお願いいたします。
ゆきだるま拝dot 2018.03.13 03:46 | 編集
ゆきだるま様
以下、補足情報です。小出しにして申し訳ございません。
>まず想定したのが、定年退職後再就職なし、退職金+貯金あり、収入は年金のみ、投資はこれから検討と云う境遇です。
当方のプロフィールに寸分の相違もありません。
末尾の「現金部分を含めた定期リバランスのみ行う」につきまして、
・現金=無リスク資産(個人向け国債10年変動など)
・リスク資産:無リスク資産=1:2
「リスク資産内部」および「リスク資産:無リスク資産」の割合をそれぞれ保持すべく、年1回程度のリバランスを実行。
日々のブログ更新を楽しみにしております。あくまでそちらを優先いただき、週末のお手すきの時にでもお答えくださいませ。よろしくお願いいたします。
gavardinidot 2018.03.13 19:45 | 編集
gavardini様 了解いたしました。考えをまとめておきます!
ゆきだるま拝dot 2018.03.14 05:52 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top