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2018
11.10

エクソン・モービル決算(3Q18)~原油銘柄との付き合い方

2018年11月10日
ゆきだるまです。

皆さまお久しぶりです。ブログの毎日更新をしなくなったら、市場や世間の動きをゆったり眺められるようになりました。

今週は米国議会の中間選挙があり、下院は民主党に多数議席をもっていかれ、ねじれ国会となってしまいましたね。

8日の米連邦準備理事会(FRB)声明では12月に追加利上げとなる感じです。9日の中国国家統計局発表の10月の卸売物価指数(PPI)では内需や製造業が弱まり4カ月連続で上昇が鈍化、貿易摩擦の影響が出始めています。

中間選挙が終われば株式市場は上昇相場を迎えるのが通例ですが、利上げと貿易摩擦で世界的に厳しい局面が続きそうですね。先月の市場一斉下落で株価が戻る際の上値も重たそうです。

さて、今日は先週中間決算があった石油メジャーのエクソン・モービルについて書きます。

ゆきだるまは、エクソン・モービル社の株(XOM)をポートフォリオの1割程度保有しています。XOMは必ず持ちたい株の筆頭だった時代もありましたが、最近ではすっかり不人気株に転落してしまった感があります。時価総額もかつての世界1位から10位に後退しています。

それでもXOMは年4%の高配当株ですし、財務体質もピカイチなので配当が年々増加する配当貴族銘柄として保有されている方も結構多いのではないでしょうか。インデックスファンドでも、S&P500では第7位(構成比約1.5%)、高配当株ETFのHDVでは第1位(構成比約9.7%)です。今なお米国株投資界の主要銘柄であることは間違いありません。

まずは決算をみてみます。

第3四半期の決算内容

1株利益は1.46ドル、予想1.23ドル、前年同期0.93ドルのいずれも上回りました。
また売上高は766億ドルで、前年同期611億ドルの25%アップとなりました。

非常に良好な結果でした。

【1株利益と配当額】
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【売上高と営業キャッシュフロー】 単位:百万ドル
XOM3Q1801.png 

前2期の決算が連続して悪かっただけに、今期挽回できて良かったです。

今期決算の特徴は、原油価格が40%上昇、天然ガス価格が30%上昇したため収益を押し上げた形であり、生産量は前年同期で2%減少するなど、原油相場の上昇に救われた感じです。ちなみにエクソン社の産油量は日量380万バレルで、世界第1位の米国1300万バレルの1/4、第8位の中国に匹敵する量を誇っています。

企業活動としての特筆すべき成果や成長はありませんでしたが、キャッシュフローは良好ですので、配当ねらいであればホールドで全く問題はないでしょう。

XOMの置かれた状況と今後の展望

そもそも今、原油株を保有することについて、少し考えてみたいと思います。

【売上高と原油価格の推移・10年間】 左軸単位:百万ドル、右軸単位:ドル
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上のグラフは過去10年間のエクソン社の売上高と原油価格(年平均)の関係を示したものです。両者には非常に高い相関関係があることが分かります。2014年に原油相場が大幅に下落しており売り上げも大きく下がっています。これはシェールオイルの供給が本格化したためで従来の原油相場を大きく変えるエポックでした。

【XOM株価・10年間+2018年】
XOM2018110902.png 
株価も呼応して2014年から2016年にかけて大きく下落しています。2016年以降は原油相場の回復以上に株価の値戻しが進んでいます。これはどういうことなのでしょうか。

【売上高と営業キャッシュフロー】
XOM3Q1803.png 
エクソン社は売上が落ちても高いキャッシュフローを維持しています。この堅牢な財務体質があるため株価が復活しているわけです。この一年の決算をみても高い配当力が株価を下支えした形となっています。エクソン・モービル強しですね。

短期と長期の将来見通し

短期では、原油相場に業績が左右される見通しをもっています。シェールオイルが原油相場を押し下げてきましたが、その影響は頭打ちになったといわれています。それよりも、昨今ではイランやサウジアラビアなど中東問題に代表される政治的な力による需給規制、在庫量と需給調整が相場に影響を及ぼしそうです。

冒頭でも申し上げましたが、売上は原油価格に左右され、原油価格は需給量で決定します。エクソン社のように優れた財務体質があれば、原油相場が上向けば株価も上昇する傾向にあります。逆も然りです。

今はイランに対する経済制裁の一部制限解除や米国の原油在庫の増加がここ数日の原油相場を押し下げています。他にもサウジアラビアの記者殺害容疑、ロシアの増産表明など原油相場は予測が難しいです。

長期では、産油体制の確保と世界的な環境対策に注目しています。

エクソンは今後5年間で500億ドルを投じた新規油田開発を進めています。その中でも最大のテキサス・パーミアン盆地の開発では、エクソン自身がシェールオイル採掘にも進出して市場の支配権を強めていこうとしています。エクソンは民間企業でありながら国家規模の産油能力をもっており、エクソン・モービル帝国は今後も健在だと考えます。

一方で頭が痛いのは環境対策。これは石油産業にとって死活問題です。世の中では化石燃料の使用を控えて再生可能エネルギーへの転換が急速に進んでいます。将来、化石燃料の使用は完全に禁止すべき勢いで環境問題が語られることもあります。

諸説ありますが、現実的には化石燃料はなくせないと考えています。コスト面では化石燃料が有利であり続ける見通しであり、これから発展していく新興国では化石燃料の使用は増えることはあっても減ることはないからです。電気自動車への完全切り替えなどクリーンPRが盛んですが、部分的な政治的プロパガンダに終わる可能性も否めません。

ただしこれから先、規制強化など環境対策に係る社会コストの負担を強いられることは必然なので、収益性は圧迫されることになるでしょう。将来の見通しはどこまでいっても不確実さが解消されない感じです。

株式投資という視点でみた場合

エクソン社はキャッシュインが常に見込めるので配当が滞る心配はしていません。将来の成長ストーリーを描くのが難しいことから、スカッとした株価の伸びは期待できない感じです。短期では原油相場の動きに呼応してレンジ相場を形成していくものとみています。

もう一点、原油銘柄をもつ意味として、意外な効用なのですが、原油銘柄は独自の値動きをします。原油はインフレ先導株の性格があり、高配当株がメタメタになったインフレ・利上げ局面では逆に原油銘柄の株価が上がるわけです。そのため、原油銘柄は債券や不動産のようにポートフォリオを安定させるアセットの一つとして捉えることもできます。

自分の心境としては、エクソン・モービル株は、長期的な株価の成長が期待できないことから、配当を目的にキープを続けつつも、政治的な要因等で瞬間的な上げ相場がきたら手放すことも考えています。そのために国際政治と原油相場の動向には常に注目しています。

それでは☆彡
 
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